「発達障害」という用語についての戸惑い

文科省が発達障害を3種、つまり、学習障害、注意欠陥多動性障害、そして、高機能自閉症に分類していることはよく知られています。もちろん、知能指数が70以上という但し書きがつきますが。私たち心理学や関連科学の研究者で、この分類あるいは定義に戸惑ったことのある人が多いだろうと思います。少なくとも、20世紀中に教育を受けた者たちには、発達障害というと、知的障害(精神遅滞)を指し示すからです。それがどういう理由でこのような分類になったのかは定かではありませんが、公の、それも国がそのように決めてしまったので、ある種仕方なくそのように言うわけですが、いつも戸惑う気持ちがつきまといます。
そのような意味では、発達障害はあるとも言えますし、3つの状態像を揃えて発達障害なぞというのは、随分と乱暴であり、実際このような雑な分類自体を、テーマとして、あるとかないとか論ずるのは、意味がありません。とりあえず、そういっておこうということで少しだけ落ち着くは私だけではないでしょう。
ただ、つぎの指摘には注目しておきたいと思います。

(1)診断基準自体に変更が加えられ来た事実。そして、これからも変更があるだろうという状況。
(2)仮説としての原因論は提出されて来たが、明確でないこと。

つまり、これらの障害についてはまだまだわからないことが多いということです。従って、今のところは、発達障害と呼んでおこうという程度だと私は考えています。

これまで方々で論じて来たように、LDにしても、その定義は多義的ですし(この点は、AD/HDやPDDにも共通します)、そもそもDを何とするかという点でも多くの課題なり問題があります。
また、一方で、診断基準の読み方が、診断する者によってある程度の範囲(ずれと言えるかもしれません)の中で決めていく仕組みになっているので、医師によって多少なりとも差があるのも事実でしょう。

※文科省は、「発達障害等」と「等」という広がり(きれいに言えば)を付け加えていることにも注意が必要です。

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